このように考えることはありませんか?
そんな人に向けて今回は『効果的な復習のタイミング』についてお伝えします。
せっかく勉強をしたのに、忘れてしまうのってつらいですよね。
テストや模試の時に思い出せないと「自分って頭悪いのかも…」と落ち込むこともあるかもしれません。
ですが、安心してください。
その悩みは復習のタイミングを変えることで、解決されます。
勉強したことを覚えるには、一度見聞きするだけではいけません。
復習をしなければすぐに忘れてしまいます。
逆に言えば、正しい復習をすれば記憶が定着して、定期テストや模試、そして受験本番で使いこなせるようになるのです。
僕自身、復習のタイミングややり方を変えてから、勉強の吸収量が一気に増えて、最終的には名古屋大学に現役合格できました。
今回は自分の経験と科学的根拠を参考にしつつ、結果が出る『復習のタイミング』に的を絞って、解説していきます。
この記事で分かること
- エビングハウスの忘却曲線と復習の重要性
- 効果的な復習のタイミング
- 復習する時のコツ
復習の重要性
まずは、どれくらい復習が重要になるのかを理解してもらうために、人間の記憶に関することからお伝えします。
エビングハウスの忘却曲線
こちらは記憶の説明をする時によく用いられる『エビングハウスの忘却曲線』です。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した理論で、簡単に言うと『時間の経過によって記憶(勉強)したことどれくらい忘れてしまうのか』、その変化を表しています。
グラフの縦軸は「暗記維持率(※)」、横軸は「時間」を表しています。
実験の中身は、意味を持たない3つのアルファベットの羅列を被験者に覚えさせて、時間の経過とともにそれらをどれくらい覚えているのか調べる、というもの。
この曲線からこのようなことが分かります。
- 20分後42%忘れる
- 1時間後56%忘れる
- 1日後67%忘れる
- 6日後75%忘れる
- 1か月後79%忘れる
なんと悲しいことに20分後には記憶したことの半分近くを忘れてしまうのです。さらに1日経ったら67%も忘れてしまいます。
この結果を知ると正直やる気をなくしてしまうかもしれませんね。
ですが、これは実験内容が特殊なため、この曲線を100%信じる必要はありません。
意味を持たない3つのアルファベットの羅列を覚えるというのは、日本人で考えてみると「じやも」「ありふ」「まやめ」…みたいなものを覚えることになります。
正直、こんな関連がないこと、忘れやすいに決まってます。
基本的に覚えたいことには、関連性があり、体系的にまとまっている場合がほとんどなので、これほど悲惨な結果にはならないと僕は考えています。
とはいえ、人間はすぐに忘れてしまうということは認識しておきましょう。
注意点
本来、エビングハウスの忘却曲線の縦軸は、『節約率』を表しています。
節約率とはつまり、最初覚えるのにかかった時間や回数からどれだけ節約できたか、ということ。
先ほどは分かりやすくするために「20分後に42%忘れる」と伝えましたが、本来の意味ですと「20分後にもう一度覚える時は、最初にかかった時間(回数)より58%節約できる」という意味になります。
節約率も暗記維持率もそこまで差異はないという考えのもと、多くの記事では記憶の維持率と節約率を同義と考えて引用していることが多いです。
忘れるのは当然のこと
忘却曲線から分かるように、人は覚えたことを短時間で忘れていきます。
これは人間である以上当然のことです。なぜなら人の脳は忘れるように出来ているから。
人の脳は、不必要だと判断したことを自動で忘れていく機能を持っています。
例えば、今日すれ違った人の顔、髪型、服装、持ち物…とか、全員のことをしっかり記憶していますか?
きっと覚えていないはずです。
これは脳が「この情報いらねー」と言って削除してくれているから。
そもそもそんな細かいことまでいちいち覚えていたら頭がパンクします。
ここで重要になってくるのが復習です。
あなたが覚えたいのに忘れてしまうのは、脳が「不必要な情報」として処理しているからです。
だから、何度も脳に訴えかけることで、「必要な情報なんだ」と気づかせてあげましょう。
この訴えかけることを復習といいます。
忘れるのは悪いことではありません。忘れること前提で勉強してください。
では次に、復習で目指すべきゴールについて解説します。
目指すのは長期記憶
記憶には大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」が存在します。
短期記憶とは、すぐに忘れてしまうような記憶です。例えば昨日の晩御飯や今日買い物した時の金額とか。
これらの短期記憶は時間が経てば消えていきます。
短期記憶は「明日の定期テストを乗り切るため」とかなら使えますが、1週間後や数ヵ月後には使えません。
一方で長期記憶とは、時間が経っても忘れない記憶のこと。例えば家の場所、家族や友だちの名前、楽しかった思い出などが長期記憶に当たります。
勉強で目指してほしいのはこの長期記憶です。
すぐに忘れない長期記憶にしておけば、何ヵ月も先にあるテストや模試や受験本番で使えるようになります。
→記憶の種類とメカニズムから効果的な勉強法を紹介します。
当然、1回授業を受けたり、家で問題を解いただけでは長期記憶にはなりません。
何度も繰り返す=復習する必要があります。
効率的な復習のタイミングとは?
ここまでは、人の記憶についてまとめました。
では実際、復習はどのタイミングでするのがベストなのでしょうか。
僕の経験とエビングハウスの忘却曲線を参考にすると、以下のタイミングがおすすめです。
復習のベストタイミング
- その日の夜
- 翌日
- 3日後
- 7日後
- 10日後
- 15日後
- 20日後
厳格にこの期間を守る必要はありませんが、これだけ復習出来たら長期記憶になり、忘れることがなくなります。
特に大事にして欲しいのが最初の2回です。
学校で習ったことをその日の夜に復習して、翌朝にも復習するだけで記憶の定着が段違いです。
時間としては復習する量にもよりますが、まずは5分から始めていくのがおすすめです。
ノートがあるなら、そのノートを見返し内容を思い出す→ノートを閉じてどこまで覚えているのか声に出しながら試す→忘れていたらまたノートを開いてチェックする。
5分間これを繰り返すだけで、相当な復習ができます。
僕は、めんどくさがり屋だけど、復習には力を入れることにしました。
1回やったことを忘れてもう1回やり直すのが苦痛だったからです。
この復習のタイミングを心がけたことで、全くわからない→あれ、なんか聞いたことあるぞ→これ分かる!と変化していきました。
最終的には長期記憶にすることができたので、こっちのもんです。
最初はやって、忘れての繰り返しでモチベーションが下がるかもしれませんが、なんとか乗り越えましょう。
復習する時のポイント
最後に復習をするときのポイントについて説明します。
ポイントは以下の2つ。
復習する時のポイント
- 復習の時は全力でやる
- 忘れて当然と考える
順番に解説します。
①復習の時は全力でやる
復習する時は、その時間で全てを覚えるくらいの気持ちで取り組んでください。
スマホをいじりながらとかではだめです。
「忘れてもいいや」という軽い気持ちでやってしまうと、何回やっても覚えられません。
復習の時は、それだけに集中してください。
やり方は上でも書いたように、ただ読み返すだけじゃなくて、何も見ずに内容が言えるのか試すこともしてください。
ここまでしないと覚えた気になって復習の効果が薄れます。
②忘れて当然と考える
2つ目のポイントは、忘れて当然と考えるということ。
①と真逆のことなので分かりづらいかもしれませんが、例えば、英単語を100個完璧に覚えたのに、翌日30個くらいしか覚えてなかったとき。
「あー、自分は勉強に向いていない…」と重く悩む必要がないということです。
どれだけ頑張って覚えても、忘れてしまうものです。
何回も繰り返して仕上げていけばいいので、「よし、もう一度頑張ろう!」くらいのポジティブな気持ちで臨みましょう。
まとめ
今回は、「復習のタイミング」について解説しました。
復習のタイミングは、その日の夜、翌日、3日後、7日後、10日後、15日後、20日後でやってみましょう。
最初の2回は特に重要です。
復習のタイミング1つで結果は変わります。ぜひ意識して集中して勉強してみましょう。
そして1番大事なことは、忘れるのは仕方ないからその上でどうするかということです。
繰り返し復習をすることで、長期記憶として保存することができます。
だから粘り強く勉強してくださいね。
画像の参照元:『さくら個別ができるまで』さん