効率的な勉強法

【長期記憶が最強】記憶の種類とメカニズムから考える効果的な勉強法とは?

勉強したことをすぐに忘れてしまうんだけど、なんでだろう?

 

今回はこのように考えている人に向けて「記憶の種類と脳の仕組み」についてお話します。

 

単語や公式とか一生懸命に覚えたはずなのに、翌日になると半分以上忘れてることってないですか?

 

僕は受験勉強をしている時によくありました。

やったはずなのに解答できず「自分ってめっちゃバカじゃん…」「覚えても意味ないよ」と自信を無くしていました。

 

だけど、これは脳の仕組みや記憶の種類を分かっていればものすごく当たり前のことなんです。

 

この関係性を知り、それを生かした正しい覚え方をマスターすれば、これまで以上に効率的にたくさんの知識を自分のものにできます。

 

勉強と記憶は切っても切り離せない関係です。

受験で良い結果を残したい人、大人になってから資格や英語の勉強をしてるのになかなか覚えられない人は、本記事を参考にしてください。

 

意外と知らずに損している人も多いので、ぜひ読んで周りより一歩リードしてください!

 

この記事で分かること

  • 記憶の種類
  • 忘れない記憶を作るポイント
  • 具体的な勉強法3選

 

 

 

記憶の種類について

まずは脳の仕組みと記憶の種類について簡単に解説します。

 

実は記憶には様々な種類があるんです。

人や学問によって分け方は違いますが、今回はこの3つに分けて説明します。

 

記憶の種類

  • 感覚記憶
  • 短期記憶
  • 長期記憶

1つずつ解説していきます。

 

感覚記憶

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚器官ごとに存在する、ものすごく短い時間(0~2秒)保存される記憶を感覚記憶と言います。

 

つまり感覚記憶は、超短期記憶と言えます。

 

例えば、通学・通勤の時。

たくさんの人や建物が視界に入り、色々な音や声が耳に入り、香りなんかもしてきます。

 

だけど、そんなこといちいち覚えていないし、すぐに忘れてしまいますよね。

これが感覚記憶です。

 

そもそも、常に大量に入ってくる情報を全て記憶していたら、脳が爆発します。

そうならないために感覚器官が受け取る情報は、たいてい数秒で忘れるようになっているのです。

 

勉強する時は、勉強内容に意識が向いているので、感覚記憶ほど短い記憶にはならないので安心してください。

 

 

短期記憶

2つ目が短期記憶。

 

短期記憶は、感覚記憶より長く、長期記より短い期間保存される記憶の事です。

「昨日英単語全部覚えたはずなのに、次の日半分も覚えてなかった!」というのは、この短期記憶の状態と言えます。

 

短期記憶は時間とともに徐々に消えていきます。

どれくらいの時間でどの程度忘れてしまうのかを表した有名な曲線が「エビングハウスの忘却曲線」です。(厳密に言うと少し違います)

 

この忘却曲線を見ると、人は一度覚えたことを1時間で56%、1日で66%忘れてしまうことが分かりますね。

勉強しても忘れてしまうのは、仕方のないことなわけです。

 

だけど、誰でも頑張れば短期記憶を長期記憶にすることができるので、心配いりません。

 

 

長期記憶

数か月、数年、もしくは一生忘れない記憶を長期記憶と言います。

 

勉強したことをいつまでも忘れないためには、感覚記憶、短期記憶を超えて、この長期記憶を目指す必要があります。

 

長期記憶にできれば、「これ覚えてるから楽勝で解ける!」というレベルになれます。

当然努力は必要ですが、いつまでも短期記憶の沼から抜け出せない方がよっぽど辛いと思うので頑張りましょう。

 

ここでは長期記憶をもう少し掘り下げていきます。

 

長期記憶の種類

長期記憶は、大きく分けて2つあります。

それが宣言的(陳述)記憶と、手続き的(非陳述)記憶です。

 

簡単に言うと、宣言的記憶は言葉で説明できる記憶、手続き的記憶は言葉で説明できない記憶です。

 

さらにそれぞれの記憶は2つに分けられますが、手続き的記憶の方は省略します。

宣言的記憶は、意味記憶エピソード記憶の2つに分けられます。

 

図にするとこんな感じです。

 

 

エピソード記憶

エピソード記憶は、時間・場所・感情などを伴った自分自身の経験によって作られた記憶のこと。

 

「小学3年の時、太郎君家に集まってみんなでゲームして…」などの”思い出”がエピソード記憶です。

 

エピソード記憶の凄いところは、一回だけで記憶出来てしまうこと。

昔の思い出っていちいち復習なんてしなくてもよく覚えてますよね?

 

それくらい強烈なパワーを持っているのがエピソード記憶です。

 

 

意味記憶

一方で意味記憶は、無味乾燥な知識のことだと思ってください。

「1600年に関ヶ原の戦いがあった」「appleはリンゴのこと」など。

 

意味記憶は、日頃の勉強や経験の積み重ねで磨かれていくものです。

エピソード記憶のように1回やったら忘れないなんてことはないですが、回数を繰り返すことで長期記憶として保存することができます。

 

 

この2つを生かそう

多くの人が意味記憶に頼って覚えようとします。

もちろんそれでもいいのですが、エピソード記憶も利用するとよりいいと僕は考えています。

 

実際にどうやって利用するのか、具体的なやり方は最後に解説していきます。

 

 

長期記憶にするために不可欠な2ポイント

長期記憶にすることの重要性は分かってもらえたでしょうか。

 

今、短期記憶で止まっている人は、もう少しのところまで来ています。

あとひと頑張りしましょう。

 

では、どうしたら長期記憶にできるのか?

絶対に外せない2ポイントを説明します。

 

逆に言うと、これさえできていれば長期記憶にするのは簡単です。

それくらい重要なポイントなのでしっかり目に焼き付けてください。

 

 

長期記憶にするために不可欠なポイント①繰り返す=復習する

どんな方法を使っても基本的に、1回で覚えるのは無理です。

特に意味記憶に頼る場合は回数が記憶時間になります。

 

だから、覚えたいことは何回も繰り返してください。

 

脳は何回も繰り返すことで、「これ大事な情報ってことね、OK」と短期記憶だったものを長期記憶として保存してくれます。

 

大前提として繰り返す、何度も復習してください。

 

「どのタイミングで復習すればいい?」という人に向けて、効率的な復習のタイミングに関する記事をまとめたので参考にしてください。
復習のベストなタイミングはいつ?エビングハウスの忘却曲線を参考にまとめました。

長期記憶にするために不可欠なポイント②アウトプットをする

記憶にはインプットとアウトプットのどちらも欠かせません。

その中でも、アウトプットはサボらないようにしましょう。

 

読んだり聞いたりするだけではなくて、自分で言葉にしたり、問題を解いたりするのもセットにしてください。

アウトプットをしないと長期記憶にするのはきわめて困難になります。

 

 

【+α】長期記憶にするための具体的な勉強法は?

上で書いた「回数をこなす」「アウトプットする」の2つが出来ていれば、よっぽど大丈夫です。

 

では、+αで長期記憶にするための具体的な勉強法を紹介します。

これはあくまで+αの内容です。

 

もっと効果的な方法が知りたいんだ、という人はこ続きの内容を参考にしてください。

 

ここでお伝えする方法は、意味記憶ではなく「エピソード記憶を利用する勉強法」です。

正確に言うと、意味記憶×エピソード記憶の合わせ技です。

 

 

エピソード記憶を利用する勉強法とは?

やり方は簡単。

これから記憶したい内容との思い出を作り、エピソード記憶として長期記憶にするというもの。

 

「おれはこの単語を覚える時、こんなことしてたなー」と語れるようになるのがゴールです。

 

 

どうしたら思い出ができるのかというと「非日常を体験する」のがいいでしょう。

 

ディズニーランドを旅行で1回だけ行った人と、ディズニーランドに365日通っている人だったら、非日常感がまるで違いますよね。

 

それと同じで、勉強が当たり前になっていると記憶に残りづらくなります。

だから、非日常な状況を自分で作り、勉強するのです。

 

では、そんな非日常をどうやって勉強に取り入れるのか。

 

これらの方法があります。

 

  1. 誰かに話す
  2. 勉強の場所を変える
  3. 感情を乗せる

 

順番に解説していきます。

 

 

【+α】エピソード記憶を利用した勉強法①誰かに話す

誰かに話すというのはエピソード記憶を作る1つの良い方法です。

 

自分の勉強した内容をアウトプットも兼ねて、友だちや家族に話してみてください。

 

もちろん話すだけじゃダメです。

 

話している時、相手はどんな表情をしていたか、どんな質問をされたのかなども意識しましょう。

そうすることで1つのエピソードになります。

 

「前テレビ見てるお母さんに、1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達したって話をしたんだけど、お母さんに『コロンブスって何人?』『なんのためにアメリカ行ったの?』ってするどいツッコミされて全然答えられなかったなー」

こんな感じです。

 

 

誰かに話すのが恥ずかしい人は、「一人授業」がおすすめ。

 

生徒がいると仮定して自分が先生になりきって授業をするという方法です。

 

内容を理解できているのかを試せるし、その時の様子がエピソード記憶として保存されるのでかなり強力。

 

僕は名古屋大学に合格できたのはこの方法を実践したおかげです。

ぜひ試してほしいです。

 

 

【+α】エピソード記憶を利用した勉強法②勉強場所を変える

勉強場所を変えることで、エピソード(思い出)を作ることができます。

 

普通なら「英単語を100単語暗記した」だけで終わります。

しかし、「英単語を100個を東大寺の大仏の前で覚えた。鹿に単語帳食われてまじで焦った。」というエピソードが加わるだけで、そこで覚えた単語は特別なものになります。

 

ここまで極端じゃなくていいのですが、教室の隅でとかトイレでとか、今まで使ったことのない場所で勉強すると記憶に残りやすくなりますよ。

 

実は世界一の記憶力を持つ人も、これと似た場所法を使っているので、試す価値はあります。

 

 

【+α】エピソード記憶を利用した勉強法③感情を乗せる

3つ目が感情を乗せるという方法です。

 

人生で1番恥ずかしかったことや嬉しかったことって、今も鮮明に覚えていますよね?

これは今までなかったくらい感情が揺さぶられたからです。

 

だから、感情が乗ると記憶に残ります。

 

やり方としては、学んでいることに対して自分の感情を乗せたり、ツッコミを入れたりしてみてください。

 

例えば中国史の宦官。

宦官とは後宮に使える男の役人のことで、後宮の女性と良からぬことをしないように陰部を切断するというルールがあったのですが、これを初めて聞いた僕は「痛い痛い…!」「何考えてんだよ!」と思いました。

いまだに覚えているのは、その時感情がめちゃくちゃ動いたからです。

 

ツッコミを入れるというのは、そのままです。

「マルクス・アウレリウス・アントニヌス名前長っ!!」とか「architectureって綴りムズっ!!」と言った感じです。

 

ツッコミを入れることでただの言葉にあなたの考えが加わるので、一気に覚えやすくなります

 

勉強する時は、そのまま文字や言葉として受け取らずに、自分の感情やツッコミを加えてみてください。

 

 

【+α】エピソード記憶を利用した勉強法その他の暗記法をマスターしよう

実は他にもたくさんの暗記法があります。

 

もっと知りたい人はこちらに僕が実践して効果のあった暗記法をまとめているので参考にしてください。
【永久保存版】成績が上がる!暗記のテクニック9選

大学受験でも社会人の英語や資格の勉強でも使えるテクニックです。

 

 

まとめ:長期記憶を目指そう

さて今回は、記憶の種類をメインでお伝えしました。

 

記憶は、感覚記憶、短期記憶、長期記憶があり、長期記憶にすれば忘れなくなります。

そして、長期記憶にするには回数をこなすこととアウトプットをすることが不可欠です。

 

勉強と記憶は密接な関係があります。

記憶への理解を深めることが勉強の効率化に繋がります。

 

今回の内容を参考にして、一生使える知識を増やしていきましょう。

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