本記事はこのように考えている人に向けて「推薦入試の攻略法」をまとめました。
推薦入試は、一般入試とは違い、学力がすべての世界ではありません。
そこを勘違いしていると、不合格になる可能性もあります。
推薦入試に落ちて、また一般入試に切り替えて頑張るというのもかなり大変です。
できれば、推薦で合格したいですよね。
一般入試よりも早めに合格が分かるので、一足先に受験のプレッシャーから解放され、大学の準備に使える時間が増えます。
僕自身、推薦入試制度を利用して、名古屋大学経済学部に合格しました。
今回はその時の経験も交えつつ、なるべく具体的に推薦入試の攻略法を解説していきます。
ここまで解説した記事はなかなか見つからないので、推薦をもらった人はぜひ最後まで読んでください。
それではさっそく行きましょう。
この記事で分かること
- 推薦で求められる生徒像とは
- 志望理由書の書き方
- 面接で心がけること
僕の推薦入試
僕は推薦で名古屋大学経済学部に合格しました。
まずはどんな流れで合格まで繋がったのか説明します。
- センター試験を受ける
- 学校から推薦をいただく
- 推薦志望書の作成
- 面接の練習
- 面接本番
- 合格発表
これが合格までの流れです。
推薦をもらえるとは思っていなかったので、僕も周りの同級生と同じで受験勉強を続けていました。
センター試験を受けて、合計8割ほど点数が取れて、「さあ、2次試験も頑張るぞ」と思っていた時、担任の先生から名古屋大学の推薦をいただけるという話をされました。
推薦をもらうには、3年間の定期テストや授業態度が重要視されます。
僕は割と真面目に3年間過ごしたので、それが理由で推薦をしてもらえたのでしょう。(自分で言うのもあれですが…)
そして、そこからは推薦対策が始まりました。
名古屋大学の経済学部の場合、推薦が一次、二次とあります。
一次はセンター試験の結果と推薦志望書で絞られ、二次が面接です。
ラッキーだったことに、僕が志望した年は全体の推薦の人数が少なくて、一次は全員通過になりました。
つまり、勝負は二次の面接。
僕は高校の先生に指導してもらいながら試行錯誤を繰り返して、結果合格をいただくことができました。
流れはこのような感じです。
名古屋大学の経済学部はこうでしたが、他の学部、他の大学なら形態が変わるので気をつけてくださいね。
推薦入試のコツを解説
ここだけの話、僕は二次の面接が終わった瞬間に合格を確信できました。それくらい手応えがあったんです。
あなたがもし、推薦を利用するなら知っておいて損のない内容です。
本記事では僕の経験を参考に、全体編、準備編、本番編の3つに分けて解説します。
なお、これは名古屋大学経済学部の形式に沿っているので、違う部分があるかも知れません。
その場合は、あなたに必要な部分だけピックアップして読んでください。
推薦入試攻略のコツ①:全体編
これから推薦入試で合格するための様々なコツを解説しますが、全体を通して大事なことを2つお伝えします。
それがこちら。
推薦入試で大事なこと
- 学力以外のあなた魅力を伝えられるか
- 本気でその学問を学びたいか
順番に解説します。
推薦入試全体で大事なこと:①学力以外のあなたの魅力を伝えるか
まず1つ目が「あなたが学力以外の面でも魅力的な人間だと伝えられるか」です。
言い方を変えるならば、有象無象にならいようにするということ。
どうしてこれが大事なのか、これは入試形態を考えてみると分かるはずです。
もし、大学が学力的な頭の良さだけを重視しているのであれば、推薦入試など設けず、一般入試のみで合格者を決めればいいですよね。
だけど、わざわざ推薦入試を設けているということは「学力以外にも魅力がある生徒をうちで面倒を見たい」という考えがあるからです。
推薦される生徒達はみな真面目だし、学力も高い水準である場合がほとんど。
さらに、大学側もたくさんの生徒を相手にするので、シンプルに勉強ができるだけの生徒では大学側の印象に残りません。(そういう人なら一般で合格できる)
だから、推薦入試ではあなたが他の人とは違うんだよということを伝えるのが大事だと肝に銘じておきましょう。
例えば、夜空にはたくさんの星が輝いていますが、そのなかでも目立つ星ってありますよね。月とか流れ星とか。
あなた自身がそういう存在であると相手に伝えられるようにしましょう。
推薦入試で全体で大事なこと:②本気でその学問を学びたいか
2つ目が、その学問を本当に学びたいということ。
これも当然のことで、全然興味のない生徒を欲しいなんて大学側も考えませんよね。
経済学部を志望するなら本気で経済を学びたい、法学部なら本気で法を学びたい生徒が欲しいです。
改めて自分がどうしてその学部を志望しているのか考えてみてください。
大学側が求める人材とは?
推薦入試で大事なことは、「学力以外のあなたの魅力を伝えること」「本気でその学問を学びたいということ」だと解説しました。
では、大学の推薦入試の要項を見てみましょう。
名古屋大学の場合はHPにこのように書かれてます。
「名古屋大学経済学部は,確かな基礎学力の上に立ち,ダイナミックに変化する現代の経済社会に鋭い関心を持つ学生を全国各地から広く受け入れます。その中で推薦入試は,学校長から推薦があった者について,書類審査,面接試験,大学入試センターの成績による選考にもとづき,経済学に対する勉学の意欲を持ち,かつ特色のある学生を入学させるものです。」(名古屋大学のHPより)
つまり、「学力」の他に「特色(魅力)」「経済学に対する勉学の意欲」。この2つが必要だということです。
推薦入試攻略のコツ②:準備編
では、次に準備編から解説します。
推薦入試における準備でしてほしいことがこちらです。
推薦入試の準備ですべきこと
- 自分の武器を探す
- 志望動機
- 関心のある社会問題
- 言語化する練習
順番に解説していきます。
推薦入試の準備ですること:①自分の武器を探す
まずは自分の武器を見つけてください。これがあなたの学力以外の魅力(特色)になります。
武器は2つあります。
1つ目が、賞をもらえるような圧倒的な実績です。
芸術系で賞をもらったとか、部活で全国に行ったとか、ハーバードに認められたとか。
そういうものがあれば他の人と差別化を図れます。
しかし、僕もですがほとんどの高校生はそんな立派な実績は持っていないです。
そんな人は「自分だけの価値観や人生」を武器にしてください。
あなたの人生で他の人とは違う経験をしましたか?そこから生まれた独自の価値観はありますか?
これを探すことであなたの武器になります。
ちなみに僕の場合は「田舎」が武器になりました。
コンビニや信号機もないような田舎で暮らしてきたことは都会の人には語れない貴重な経験です。
そして、その経験から色々なことを考えるようになりました。
このレベルでもいいので、価値観や人生からあなたの武器を探してみましょう。
ここで注意してほしいのが、その武器があなたの志望動機に繋がるようにするということです。
ただ「私はみんなと違いますよ!」だけでは意味ないです。
「私はみんなと違う経験をしてきたから、こういう考えを持った。それを詳しく学ぶために貴校に入学したい」までの流れがあるといですね。
僕もただの田舎出身というだけではなく、田舎を中心に志望理由書を書き、面接に臨みました。
推薦入試の準備ですること:②志望動機
次の準備が志望動機です。
どうしてあなたがその大学に入学したいのか、明確な動機を作ってください。
これが中途半端なものだと、「それなら、うちじゃなくても良くない?」と大学側は思います。
押さえて欲しいことは以下の通りです。
志望動機に入れること
- 自分が高校で頑張ったこと
- 自分の性格や人間性
- 興味のあること
- 目標や夢
- 興味のある教授や授業
このあたりは重要になります。
名古屋大学の経済学部の場合は、「自分が推薦される人間として全うである理由を600字で書け」で、少し独特な言い回しがされてました。(文字数はたしか600字でした)
それに沿って上の内容を混ぜて作りました。
おそらく作成時には先生が協力してくれるはずなので、そのときにきちんと自分の考えを伝えるようにしましょう。
推薦入試の準備ですること:③関心のある社会問題
名古屋大学の志望書は、書くことが2つあり、1つ目が、「自分が推薦される人間として全うである理由を600字で書け」でもう一つが「あなたが興味・関心のある社会問題について800字で書け」でした。
この課題がないところもあるので、必要な人は読んでください。
社会問題を取り上げる時のポイントが、その社会問題があなたの身近であることです。
例えば、アメリカで起きている社会問題を取り上げたとします。
あなたがアメリカに住んでたことがあって、将来で働きたいというなら分かります。
だけど、そういう経緯もないのに取り上げると、ちょっと嘘っぽく思えるし、本心じゃないため内容も薄くなりがちです。
だから、何か身近に感じた、経験したことをオススメします。
毎日ゴミがたくさん出るのを見て、ゴミを減らすことに興味を持ったとか。
ちなみに僕の場合は、田舎に住んでいて、過疎化や少子高齢化や空き家が増えているという社会問題を目の当たりにしてきて、経済的な観点から田舎を活性化させる方法を学びたくなったという風にしました。
推薦入試の準備ですること:④言語化する練習
面接がある場合は、言語化する練習をしておきましょう。
面接は緊張感があるものですし、扱う話題も難しいです。さらに面接官は教授なので、鋭い質問が飛んできます。
それらに対して、何も練習をしないで本番を迎えると、自分の考えを言語化できないで終わる可能性が高くなります。
これはものすごくもったいないので、必ず練習をしておいてください。
僕の高校では担任や他の先生、さらに校長先生までが面接の練習の手伝いをしてくださいました。
入念な練習をしておくと自分の考えがまとまって言語化しやすくなるのでいいですよ。
また、想定される質問に対しての答えはあらかじめ用意しておくといいでしょう。手札は多い方がいいですからね。
暗記する必要はないので、「こう来たらこう返す」くらいはあった方がいいです。
受験勉強もあって大変だと思いますが、せっかくもらったチャンスなら準備してベストな状態で臨みましょう。
推薦入試攻略のコツ③:本番編
では、次に本番のコツを紹介します。
ここで言う本番とは面接のことだとお考えください。
名古屋大学の経済学部の場合、書類審査が通ったら次は、教授3名:生徒1人の面接が行われます。
質問は事前に提出した志望理由書からされました。だいたい10分程度です。
大前提でも言ったように、この面接で「なんかこの生徒は他とは違うな」と印象付けないといけません。
つまり、めちゃくちゃ大事だいうこと。
僕はこの面接で良い印象を与えられたので、合格できました。
では、実際、どんなことを意識したのか解説していきます。
面接本番で大事なこと
- 見た目はシャキッと
- 表情や声に明るさを
- 熱量で相手を動かす
- パワーワードを使う
- 結論は最初に
- 手札は用意しておこう
- 時間をもらって考える
順番に解説します。
面接本番で大事なこと:①見た目はシャキッと
人は初対面の人の印象を5秒で決めると言われています。
そのため、見た目がぱっとしない、だらだらした感じだとスタートから面接官の教授に悪い印象を持たれてしまいます。
髪型や制服の丈、男子ならひげなど面接前にチェックするようにしましょう。
それだけでなく、姿勢も大事です。
立っている時も座っている時も背筋を伸ばして、良い印象を与えられるように意識しましょう。
猫背だと暗いと思われてしまいます。
面接本番で大事なこと:②表情や声に明るさを
面接の時は表情や声を明るくしましょう。
少しほほえんで、いつもより1トーン上げるといいです。
そして、ハキハキとゆっくり面接官の目を見ながら話せると理想的です。
僕は面接が始まったらスイッチを入れて、表情を明るくしても声のトーンも変えてました。
「そんなの意味ある?」と思う人は想像してみてください。
自信を持って前を見て、笑顔でハキハキと明るい声で話す人と、猫背でずっと下を向いて、無表情で小声でボソボソ話す人、どちらが魅力的に見えますか?
最初は恥ずかしいかもしれませんが、慣れるとできるようになります。
慣れるまで練習をしておきましょう。
面接本番で大事なこと:③熱量で相手を動かす
面接の強いところは文章とは違い、面接官に表情や動き、言葉を通してあなたの熱量を伝えられることにあります。
逆に言えば、文章でいい印象を与えられていても、実際に会ってみたら大したことなかったと思われることもあるということです。
僕が心がけたのは、等身大の自分で伝えるということです。
難しい言葉を使ったり、スラスラと話せたりすることも大事ですが、それらがあなたの本心から出た言葉じゃない限り、相手には届きませんし、魅力も感じてもらえません。
詰まってもいいし、多少日本語が変でもいいので、あなたらしく話しましょう。
僕自身、面接本番で全ての質問に完璧に答えられたわけではないですが、自分なりの考えをたくさん出しました。
その姿勢が面接官に伝わったんだと思います。
面接本番で大事なこと:④パワーワードを使う
面接ではぜひ、パワーワードを使ってください。
パワーワードを使うことで、面接官の印象に残りやすくなります。
僕の面接での出来事をお話します。
僕は面接の順番がかなり後半だったので、面接官の教授も疲れている様子でした。
このままではまずい、面接官の興味を引かなきゃ!と考えた僕は面接の序盤で、「僕は”田舎の希望”になります!」と大きな声で言いました。
すると、お疲れだった面接官が3人とも顔を上げて僕の方を見ました。
そこからの質問は「あなたはどうやって”田舎の希望”になるのか」だけでした。
「田舎の希望」というパワーワードのおかげで、面接官の興味を引き、印象に残ることができました。
面接では、面接官を退屈だと思わせたら負けです。
「この人面白そう」と思わせられるようなパワーワードを持っていくといいですよ。
あなたの人間性や将来の目標をイメージさせるワードにしましょう。
面接本番で大事なこと:⑤結論は最初に
プレゼンテーションなどでも大事になるのが、話の組み立てです。
面接の時に特に大事にして欲しいのが、「結論を最初に言う」ということです。
話すことに慣れていないと人はだらだら長ったらしく話してしまいます。
それだと聞いている方は、何が伝えたかったのか理解出来ません。
それを防ぐために重要なのが、結論から話すこと。その後に、根拠→具体例を話すことを心がけましょう。
この方が、あなたの脳内も整理しやすいです。
面接本番で大事なこと:⑥手札は用意しておこう
面接の時はかなり深い所まで質問されます。
僕の場合は、「田舎を活性化したい」が軸にあったので、どうやって活性化したいのか、何が問題かなどイヤになるほど質問されました。
ただ、そうなることは僕も分かっていたので、先生達の協力のもと、事前に手札を用意してました。
その場で答えるのもいいですが、あらかじめ手札を用意しておくとテンパらずに済みます。
ちなみに僕は色々な質問を想定して、「こう来たらこうだ!」という手札をたくさん用意してましたが、面接官の質問がその遥か上を行く内容でした。
面接本番で大事なこと:⑦時間をもらって考える
面接本番では、質問された内容が難しくて回答に詰まる時があると思います。
その時にやってはいけないのが、すぐに「分かりません」と言うこと。
これは相手に何も考えていないという悪い印象を与えます。
それなら時間をもらって頭をフル回転させて何か答えを出しましょう。
必ず「少し考える時間をいただいてよろしいですか?」と面接官に尋ねてからです。
僕は、教授が経済の知識で僕のアイデアを徹底的に潰してきたので、答えに何度も詰まりました。
だけど、その度に時間をもらって自分なりの回答をしました。
的外れであったとしても、あなたの考えを伝えることは大事です。時間をもらえるのであれば、利用しましょう。
あなたがどんな人間なのかを伝えられると面接官の印象に残ります。
対面だと緊張するかもしれませんが、自分を出せずに終わるのはもったいないです。
今回のポイントを押さえつつ、あなたらしい面接ができるように頑張ってください。
推薦はずるいのか?
たまに「推薦で合格する奴はずるい」みたいな意見がありますが、これに対しての僕の考えを紹介します。
結論、全然ずるくないです。
推薦入試は、学力だけじゃない部分を評価するために大学側は用意した制度です。
それを生かすのはいいことです。
また、推薦されたということは学校から3年間の頑張りが認められ、応援してもらえているとうことです。
これは誰でももらえるわけではないチャンスだから、本気で合格しにいかないと失礼です。
それに推薦=合格確定ではないので、かなりのリスクでもあります。
コースは違っても推薦での合格は一般と変わらないものです。
ぜひ、自信を持って頑張ってください。
まとめ:推薦入試は自分の魅力をどれだけ伝えられるか
今回は、推薦入試攻略法を僕の経験を交えながら解説しました。
最初にもお伝えしたように、推薦入試ではあなたの魅力が相手にいかに伝えられるかが鍵になります。
そのためにも自分をよく知ることと、伝える練習をしてください。
推薦というチャンスを手に入れた以上、合格できるように精一杯頑張りましょう!